DHT(ジヒドロテストステロン)とは?抑制する食べ物や減らす方法を一挙公開!

DHTとは

AGAとは男性型脱毛症のことであり、AGAになると生え際が後退したり、つむじの地肌が透けて見えるようになるなど、薄毛やハゲの症状が進行します。

AGAは遺伝や生活習慣などさまざまなことが原因になりますが、遺伝によるAGAはDHT(ジヒドロテストステロン)という物質が大きく関与しています。

この記事では、AGAの原因物質であるDHTとは何かを明らかにし、DHTを抑制する方法をわかりやすく解説します。

DHT(ジヒドロテストステロン)とは?抑制する方法とAGAの関係を解説

DHTは体内で生成される悪玉男性ホルモンであり、DHTが増加することがAGAの主要な原因であることがわかっています。

DHTの増加を抑制することがAGAの改善につながりますので、ここでは、DHTとAGAの関係についてわかりやすく解説します。

DHTがAGAを進行させるメカニズム

抜け毛の毛根

AGAになると抜け毛が増えてきて、髪が薄くなってきますが、抜け毛が増えるのは髪に十分な栄養と酸素が行き渡らなくなることが原因です。

栄養は毛細血管を通って毛根に運ばれますが、毛根には毛乳頭細胞と毛母細胞があり、毛乳頭細胞が萎縮すると毛髪を作り出す毛母細胞に栄養が届かなくなり、古い毛が抜け落ちて新しい毛が生えてこなくなります。

毛根に十分な栄養が行き渡らなくなるのは血行不良が原因で、酸素が十分に行き渡らなくなるのは毛穴が皮脂で塞がれることが原因になります。

DHTは皮脂の分泌を促進する作用があり、皮脂が過剰に分泌されることで毛穴が塞がってしまい、抜け毛が増えてきて薄毛やハゲなどのAGAの症状が進行します。

DHTが体毛を増やすメカニズム

DHTは体内にあらかじめ存在する物質ではなく、テストステロンという男性ホルモンと5αリダクターゼという酵素が結びつくことでDHTが産生されます。

DHTはテストステロンという男性ホルモンがさらに強化された活性型男性ホルモンであり、DHTが増えると体毛も増えて濃くなり、皮脂の分泌が促進されるようになります。

顔や胸などは皮脂腺が少ないため、DHTが増えるとヒゲや胸毛などの体毛が増えて濃くなります。しかし、頭皮は人間の体の中でも皮脂腺が多い部位であり、DHTが増えると皮脂の分泌が過剰になり、毛穴に皮脂が詰まって毛が抜け落ちます。

頭皮の中でも前頭部から頭頂部にかけての部位が最も皮脂腺の分布が多いため、生え際が後退してM字ハゲになったり、頭頂部の地肌が透けて見えるつむじハゲになるわけです。

DHTとハゲ酵素「5αリダクターゼ」の関係

DHTはテストステロンという男性ホルモンと5αリダクターゼという酵素が結びつくことで産生しますが、5αリダクターゼの活性が強くなるとテストステロンと結びつきやすくなり、DHTが大量に産生することになります。

5αリダクターゼの活性の強さは個人差があり、生まれつき5αリダクターゼの活性が強い男性はAGAになりやすい傾向があります。5αリダクターゼの活性の強さは遺伝するため、親が薄毛の人はAGAになりやすいわけです。

「AGAは遺伝するので防ぎようがない」わけではなく、いろいろな方法で5αリダクターゼの活性を抑制することができます。

5αリダクターゼの活性を抑制することがDHTを抑制することにつながり、AGAの予防と改善につながります。

DHT(ジヒドロテストステロン)の抑制は毎日の習慣が大切!方法5つ

DHTを抑制するには、食べ物に気をつけたり、ストレスを溜めないようにするなど、日頃の生活習慣を見直すことが必要です。

サプリメントの摂取や育毛剤の使用もDHTの抑制につながり、DHTを抑制するAGA治療薬も存在します。

ここでは、AGAの原因になるDHTを抑制する方法を一挙公開します。

DHTを抑制する方法①食べ物に気をつける

DHT抑制食べ物

DHTを抑制するには、5αリダクターゼの活性を抑制することが必要になりますが、食べ物の中には、5αリダクターゼの活性を抑制させ、DHTの過剰な産生を防げるものがあります。

ここでは、DHTの産生を抑制できる食べ物をいくつか紹介します。

亜鉛を含む食べ物

髪はタンパク質からできており、亜鉛はアミノ酸からタンパク質を再合成するために必要なミネラルであり、食べ物に含まれるタンパク質を髪の組織に変える作用があります。

また、亜鉛は5αリダクターゼの活性を抑制させる作用があり、5αリダクターゼの活性を抑制することで、DHTの産生を抑制させることにつながります。

亜鉛を大量に含んでいる食べ物として、牡蠣や肉類、卵、海藻類などがあり、特に牡蠣には大量の亜鉛が含有されています。牡蠣は食べられる時期が限定されますが、牡蠣肉エキスを凝縮したサプリメントも市販されています。

肉類は髪の生育に役立つ食べ物ですが、脂身が多い肉は皮脂の過剰分泌につながりますので、なるべく脂身が少ない肉を食べるようにしてください。

ビタミンを含む食べ物

ビタミンB6とビタミンB2などのビタミンB群は毛乳頭細胞や毛母細胞を再生させる働きがあり、DHTによって萎縮した毛乳頭細胞を再生させることで、毛髪の再生につながります。

ビタミンEは血管を拡張させる作用があり、頭皮の血行が良くなり、髪に栄養が行き渡るようになります。ビタミンCは亜鉛の吸収を良くする作用があり、DHTの抑制をサポートします。

ビタミンB群は肉類や青魚に多く含まれており、特に牛レバーや鶏レバーなどのレバー類に大量に含まれています。

ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類やサフラワー油に多く含まれていますが、大量に摂取すると皮脂の過剰分泌につながりますので、アーモンドは1日15粒程度、サフラワー油は大さじ2杯程度に留めてください。

ビタミンCは果物や野菜に大量に含まれています。

大豆類

大豆類に含まれる大豆イソフラボンは5αリダクターゼの活性を抑制する作用があり、DHTの抑制につながります。また、大豆類は植物性タンパク質の宝庫であり、毛髪の育成に大きく貢献します。

大豆イソフラボンはファイトケミカルと呼ばれる植物性栄養素であり、緑茶に含まれるカテキンというポリフェノールとの相性が抜群です。大豆類を食べる際には緑茶を飲むようにすると、大豆イソフラボンの効能が高まります。

大豆類の食べ物には、納豆や豆腐、油揚げなどがありますが、大豆イソフラボンは納豆に特に多く含まれています。豆乳にも大豆イソフラボンが大量に含まれていますので、薄毛の方には、納豆と豆乳の摂取を特におすすめします。

DHTを抑制する方法②生活習慣を見直す

AGAと生活習慣は密接に関係しており、生活習慣が乱れると薄毛やハゲになりやすくなります。

クリニックでDHTを抑制するAGA治療薬を処方してもらっても、生活習慣が乱れたままだとAGA治療薬の効果が十分に発揮できません。

ここでは、DHTを抑制してAGAの予防・改善につなげる生活習慣の見直しを解説します。

ストレスを溜めないようにする

ストレスが溜まると自律神経のバランスが崩れてしまい、ホルモンバランスも崩れます。ホルモンバランスが崩れるとDHTの産生が促進され、抜け毛が増えてきます。

また、ストレスが蓄積すると頭皮が硬くなって血行不良になりますので、ストレスは髪の健康の大敵といえます。

ストレスを解消するには、リラックスする時間を持つことが大切であり、ストレスを溜めないように心がけましょう。

飲酒や喫煙を控える

適度な飲酒はストレス解消につながりますが、二日酔いになるほどの深酒をすると、髪の健康に悪影響を及ぼします。

アルコールは肝臓で分解されますが、その際にはステインやメチオニンなどのアミノ酸を大量に消費します。アミノ酸は髪の元になるケラチンというタンパク質を作るのに欠かせないため、飲酒でアミノ酸が消費されると髪の成長が阻害されます。

喫煙をすると頭皮の毛細血管が収縮し血流が悪くなりますので、喫煙はAGAの原因になります。

適度な運動をする

ウォーキングのような軽めの有酸素運動をすると頭皮の血行が良くなり、毛が生えやすい頭皮環境になります。

ただし、激しい運動をするとテストステロンが大量に分泌され、5αリダクターゼと結びつくことでDHTが産生されますので、あまりハードな運動はおすすめできません。

ストレッチは全身の血の巡りが良くなる運動ですので、薄毛の予防と改善には最適です。ストレッチは腹式呼吸をしながら行うことがコツで、腹式呼吸をするとリラックスしてストレス解消にもつながります。

DHTを抑制する方法③サプリメントを摂取する

サプリメントを摂取すると、食べ物だけでは不足する栄養素を補うことができます。

ここでは、DHTの抑制につながるサプリメントをいくつか紹介します。なお、サプリメントは医薬品ではなく、AGAの治療効果はありませんので、過度の期待は禁物です。

ノコギリヤシサプリ

ノコギリヤシはヤシ科の植物で、ノコギリヤシの果実エキスは5αリダクターゼの活性を抑制し、DHTの産生を抑制する効果が期待できます。

海外で行われた臨床試験によると、ノコギリヤシは一定の発毛効果が期待できるという結果が出ており、ノコギリヤシのエキスを配合したサプリメントが育毛サプリとして市販されています。

ノコギリヤシサプリはいろいろな商品が販売されていますが、次の条件に合致するものをおすすめします。

  • GMP認証取得済の国内工場で製造されている
  • 亜鉛やビタミンなど育毛成分がバランスよく配合されている
  • オイル状のノコギリヤシが使われている

サプリメントBOSTON(ボストン)は、上記の条件を満たした理想的なノコギリヤシサプリです。

ノコギリヤシサプリ

亜鉛サプリ

亜鉛は先に説明したように、5αリダクターゼの活性を抑制させる作用があり、5αリダクターゼの活性を抑制することで、DHTの抑制につながります。

亜鉛は牡蠣に大量に含まれているので、AGAの予防・改善のためには牡蠣を積極的に食べることをおすすめしますが、牡蠣を食べられる時期は限定されています。

牡蠣サプリは牡蠣肉から抽出したエキスが凝縮しており、牡蠣サプリを摂取すると、不足している亜鉛を補うことができます。

牡蠣サプリもいろいろな商品が販売されていますが、ノコギリヤシサプリと同様に、GMP認証取得済の国内工場で製造されているものがおすすめです。

先に紹介したサプリメントBOSTON(ボストン)は亜鉛も含有されており、亜鉛とノコギリヤシ、イソフラボン、コラーゲンペプチドの4大成分をバランスよく配合しています。

DHTブロッカー(DHT Blocker)

DHTブロッカー(DHT Blocker)はアメリカ製のサプリメントであり、商品名の通り、DHTをブロックする効果が期待できます。

サプリメントは規制が厳しい日本製が最も安全性が高いですが、DHTブロッカーは100%天然のハーブを原料にしているため、安全性は高いといえます。

DHTブロッカーに配合している成分はサプリメントBOSTON(ボストン)とほぼ同じで、ノコギリヤシ果実エキスやイソフラボン、亜鉛などですが、12倍に濃縮した何首烏(フォーチ)根エキスを独自成分として配合しています。

何首烏(かしゅう)は天然のハーブで、中国では昔から髪の健康のために漢方薬の原料として使用されており、現在でもいろいろな育毛剤に使用されています。

DHTを抑制する方法④育毛剤を使用する

育毛剤はセンブリエキスなどの有効成分の働きで頭皮の血行を促進させ、髪が生えやすい頭皮環境にすることができます。

育毛剤の中には、DHTを抑制する成分を配合しているものもあり、DHTの産生を抑制することで、AGAの予防と改善に役立ちます。

なお、育毛剤もサプリメントと同様、AGAの治療効果はなく、100%確実にAGAが治るわけではありません。

Persona(ペルソナ)

ペルソナ 育毛剤

Persona(ペルソナ)は遺伝子検査付き育毛剤であり、事前に遺伝子検査を行ってDNAの情報を読み取ることで、遺伝傾向に合わせた育毛剤がオーダーメイドされます。

Persona(ペルソナ)には、5αリダクターゼの活性を抑制する有効成分として、地黄(ジオウ)とビワ葉エキス、センブリエキスが配合されており、これらの有効成分の働きでDHTの産生が抑制され、AGAの予防と改善につながります。

昆布から抽出したM-034やリデンシル、グリチルリチン酸ジカリウムなど、髪を太くしたり頭皮の血行を促進する成分も配合されており、個人の遺伝傾向に合わせて配合量を決定するため、本当に自分に合っている育毛剤でスカルプケアをすることが可能です。

Bomek(ボメック)

ボメック

Bomek(ボメック)はセンブリエキスやニンジンエキスなどの有効成分がミクロソーム化されており、有効成分が毛根までしっかり届くことが特長の無添加の育毛剤です。

育毛剤にはいろいろな有効成分が配合されていますが、有効成分が豊富に配合されていても、毛根までしっかり浸透しないと育毛効果は期待できません。Bomek(ボメック)は有効成分をミクロソーム化することで、抜群の浸透性を誇ります。

5αリダクターゼの活性を抑制する有効成分もミクロソーム化されており、DHTの産生を抑制して毛が生えやすい頭皮環境に導きます。

配合されている有効成分の約96%は自然由来の成分であり、ノンアルコール・無添加・無香料ですので、安心して使えます。

DHTを抑制する方法⑤AGA治療薬を服用する

プロペシア

AGA治療薬はサプリメントや育毛剤とは異なり、DHTの産生を高い確率で抑制することができ、AGAを治療する効果があります。

ただし、AGA治療薬は医薬品に特有の副作用のリスクが存在するため、医師の指導に基づいて適切に服用することが必要です。

プロペシア(フィナステリド)

プロペシア(フィナステリド)は5α還元酵素阻害薬であり、5αリダクターゼの活性を阻害する効果が得られます。5αリダクターゼの活性が阻害されることでDHTの産生を抑制することができ、AGAを根本的に治療できます。

5αリダクターゼはⅠ型とⅡ型があり、プロペシアはⅡ型5αリダクターゼだけを阻害でき、Ⅰ型5αリダクターゼは阻害することができません。

Ⅱ型5αリダクターゼは前頭部と頭頂部の毛乳頭細胞に存在するため、プロペシアを服用すると、前頭部から頭頂部にかけてのM字ハゲやつむじハゲを改善することができます。

プロペシアは性欲減退や勃起不全、射精障害、精液量の減少などの副作用がありますが、発現率は低いです。万一、副作用が出た場合は速やかに医師に相談することが必要です。

ザガーロ

ザガーロ(デュタステリド)は2015年8月に厚生労働省が承認したAGA治療薬の新薬です。

ザガーロはプロペシアと同じく5αリダクターゼの活性を阻害する効果が得られ、DHTの産生を抑制することでAGAを根本的に治療できます。

プロペシアとの違いは、プロペシアはⅡ型5αリダクターゼしか阻害できないのに対して、ザガーロはⅠ型5αリダクターゼとⅡ型5αリダクターゼの両方を阻害することができます。

ザガーロの方が優れた効果が得られますが、副作用の発現率はザガーロの方が高く、価格もザガーロの方が高いです。

ザガーロの薬効はプロペシアよりも優れており、ザガーロはプロペシアが効かない重症のAGAに対しても効果を発揮します。

DHT(ジヒドロテストステロン)に関するよくある疑問

これまでに説明したように、DHTの産生量が増えるとAGAの原因になりますが、DHTはAGAの原因になる他にどのような役割を果たすのでしょうか。

ここでは、DHTについてよく寄せられる質問に回答します。

DHTとニキビの関係は?

DHTニキビ

DHTはニキビの原因物質でもあり、血中のエストステロンが5αリダクターゼと結びつくことでDHTが産生され、皮脂が過剰分泌されることでニキビが発生します。

DHTはニキビの原因になるだけでなく、前立腺肥大の原因にもなり、AGAとニキビ、前立腺肥大は密接な関係があります。

ニキビは10代の思春期から25~26歳までが発生しやすく、AGAは20代から始まり、年齢が高くなるほど発症しやすくなります。前立腺肥大は30代から始まり、年齢が高くなるほど発症する人が増加します。

DHTの産生量がピークになる年齢は?

男性ホルモンのテストステロンの分泌は20代をピークにその後は減少します。

25~26歳の年齢を過ぎるとテストステロンの分泌量の減少を補うために、5αリダクターゼが活性化し、DHTの産生量が増加します。

テストステロンの分泌量は加齢によってどんどん減少しますが、減少したテストステロンを補うためにDHTの産生量はますます増えるため、30~40代になるとAGAになる人が急増します。

DHTの産生にはメリットもある?

男性ホルモンは多すぎても少なすぎてもダメで、ホルモンバランスが整っていることが大切です。

活性型男性ホルモンのDHTは0.20~1.00 ng/mLが正常値であり、DHTの産生量が正常値を超えるとAGAの原因になりますが、正常値に収まっていれば問題ありません。

成年の男性にとっては、DHTは特に重要な役割はありませんが、胎生期や小児期においては、DHTは男の子の外性器の発達に重要な役割を果たします。

DHT(ジヒドロテストステロン)の抑制はクリニックが近道

DHT治療

DHTを抑制する方法として、食生活を始めとする生活習慣の改善やサプリメントの摂取、育毛剤の使用などがありますが、最も効果的なのはAGA治療薬の服用です。

生活習慣を改善したり、サプリメントや育毛剤を使用してもDHTを抑制できなかった場合は、クリニックに行って医師に相談されることをおすすめします。

AGA治療薬は個人輸入でも購入できますが、クリニックで医師の診察を受けたうえで、最適な薬を処方してもらうことが望ましいです。

個人輸入だと医師の処方箋が不要で、価格も安いことが魅力ですが、海外で出回っているAGA治療薬の中には偽薬もあるので危険です。

クリニックだと医師がAGAの症状に応じて、正規のAGA治療薬を処方してくれます。

DHTを抑制し、効果的にAGA治療をする方法とクリニックは、以下の記事で詳しく紹介しています。こちらも参考にしてください。

AGA治療は効果あり?200人への調査結果から本当に発毛する方法まとめ