朝起きたら枕に抜け毛がたくさん!もしかしてハゲの兆候?と不安になる方は、実は多いのです。
枕の抜け毛は、注意が必要な場合と心配しなくてよい場合があります。枕の抜け毛の本数や、抜けた髪の毛の状態別に、症状の深刻度を解説します。
今、不安を抱えている方は、ご自身の枕の抜け毛の状態と比べてみてください。
目次
枕の抜け毛で注意が必要となる本数は?平均は何本?
髪の寿命は男女差が多少あるものの、平均では約4年から約6年間で、髪の毛の本数は平均10万本程度です。
髪は永久に伸び続けることはありません。寿命を終えれば自然に抜け落ちるので、抜け毛は本来悪いことではありません。
そこで気になる抜け毛ですが、1日100本ぐらいは、健康的な人でも自然に抜けていると言われています。
1日の平均的な人の睡眠時間はだいたい8時間ぐらいですので、枕などの寝具で見つけられる抜け毛の本数が30本以上見つかる人は、抜け毛が平均よりも多いので注意が必要です。
枕の抜け毛が5本~10本程度の人
健康的な人でも1日100本は抜けるとされていますので、寝ている時の抜け毛が5本~10本程度の人は、ごく普通で気にする必要はありません。毛根は健康で、髪の成長も順調と思ってさしつかえないです。
ただし注意してほしいのは、抜けた髪の毛が今生えている髪の毛よりも短く、今現在自分の頭髪全体が、なんとなくボリュームが減ってると感じる時です。
髪の成長途中でなんらかの要因があって途中で抜けているので注意が必要です。
枕の抜け毛が20本~30本程度の人
1日に平均20本~30本程度の抜け毛であれば、ごく普通と解説しましたが、これは自分が1日で活動している昼間の行動範囲も含まれるので、枕からこの本数が見つかるということは、少なくとも8時間以内にそれだけ一気に抜けているということになります。
しかしながら、この抜け毛は、季節の変わり目などの身体の代謝機能が活発な時期では、誰にでも見られる本数で、過度の飲酒や睡眠不足が続いているなどの不規則な生活が特に無ければ、問題は無いといえるでしょう。
枕の抜け毛が40本以上の人
枕にこれだけの抜け毛が見つかるということは、1日に100本以上は大量に抜け毛がある可能性があります。昼間、活動している時でも同程度の本数が抜けてしまっているかもしれません。
健康な人なら睡眠時間は短くても約6時間ほどですから、寝ている間の安静としている時間帯にこれだけ抜けてしまうということは、髪の成長に弊害が出ているだけではなく、毛根自体に栄養不良や抜け毛の原因があるといえます。
後の章で紹介する対策を、大至急実践しましょう。
枕の抜け毛が短い人
前述したように、睡眠中にも髪の毛は平均で多くとも20本~30本は、その時の体調次第では抜ける場合がありますが、注意すべきなのはその長さが現在生えている髪の毛よりも短い場合です。
髪の自然なサイクルでは、発毛から成長して寿命が尽きるまでは、約4年~約6年となっていますから、髪の毛を全くカットしない人では、最長で6年は髪の毛は伸び続けることになります。
男性の場合は特に、「飲酒」や仕事都合による「睡眠不足」など、充分な休息や不摂生な生活が重なると、本来は長持ちするはずの髪の毛が、成長途中で抜け落ちてしまう事があるということになります。
抜け毛が短い方も、後の章で解説する対策を早めに試してください。
高校生や子供の抜け毛の平均は?
中学生の中間年齢「13歳」の場合は、1日の抜け毛平均は約162本です。8月と10月などの代謝が活発な時期は200本にも及ぶ場合があります。成長期の活発な新陳代謝のために起こる自然な抜け毛なので、これは心配いりません。
一般に子供の成長期は思春期を迎えた後の約3年から4年間が最も活発といわれており、これは手をレントゲンで撮影して「骨端線」と呼ばれる関節の隙間があるかないかで判断できます。
従って17歳~18歳の高校生の時期も、医学的には成長期にあたるので、約162本ぐらいの抜け毛であれば心配する必要はありません。
枕の抜け毛がそもそもない人っているの?
人の体には一定のリズムがあるように、髪の成長のサイクルは代謝が活発な昼間の時間帯が最も抜け毛が多いのです。従って、個人差はありますが枕に抜け毛がない場合も、けっして珍しくはありません。
それでも、1日1本も抜け毛がないという人は、髪が全く無い場合を除いてあり得ないといえます。
枕の抜け毛だけでなく、シャワー・シャンプー時にも本数チェック!
髪の毛は、平均で約10万本もあるため、抜け毛の中には髪に絡まって床や枕に落ちないこともあります。シャワーやシャンプーのように、髪をお湯で洗い流す時は、これらの抜け毛が排水口などにたまることがあります。
この抜け毛の本数が1日に抜け落ちる髪の毛全てではありませんが、部屋を掃除したり、枕や寝具に落ちている髪の毛とシャワーの本数を合わせて「100本以上抜けていないか」チェックすることは重要でしょう。
また、激しくかきむしるように髪を洗えば、髪をわざわざ無理やり抜いていることになるので注意が必要です。洗髪は泡で洗うようにして、優しく洗うように心がけましょう。
シャワー・シャンプー時の抜け毛で安心な本数目安
個人差がありますが、シャンプーやシャワーなどで髪を洗い流した時、その時の時間帯がいつなのかで抜け毛の本数が問題となります。多くの人では、1日の疲れを癒やすために、洗髪は夕方以降などが多いのではないでしょうか?
朝に洗髪する人を除いて、夕方以降、就寝前にシャンプーやシャワーをしているのなら、寝る時に抜ける平均的な抜け毛の本数範囲であれば問題はありません。洗髪による摩擦で、抜けた髪が枕に残る場合もありますが気にする必要はないでしょう。
しかし、水に濡れた髪の毛は水分を吸って膨らみ、また髪の摩擦も大きくなるので、髪の毛をゴシゴシと強く洗う人は、無理に髪の毛を引っ張ることになり、抜け毛を余計に増やしている場合もあるので注意が必要です。
枕の抜け毛が多めの人がやるべき対処法7つ
枕に残った抜け毛の本数が30本以上ある人は、髪の毛の成長が著しく低下している恐れがあるので、適切な対処でしっかり育毛を考えるよう心がけるべきです。対処法を5つご紹介します。
枕の抜け毛が多い人の対処法①髪をしっかり乾かして寝る
髪が濡れたまま寝てしまうと、髪同士の摩擦によって髪の表面が擦れて痛み、髪が乾く頃には髪が折れ曲がったり、ボロボロに傷んで翌日切れ毛となってしまう場合があります。
また、毛根のある頭皮全体が水分を吸った髪の毛によって蒸れてしまい、雑菌などの繁殖の要因となり、毛根からの発毛の妨げになります。
抜け毛が多い人は、特に毛根から発毛する力が弱いため、体温が寝ている間に上昇しやすい頭頂部など、頭皮が蒸れて湿気が多い状態は発毛に悪影響を及ぼします。お風呂上がりなどは、しっかり乾かしてから熱をとって寝るのが望ましいです。
枕の抜け毛が多い人の対処法②シャンプーを変えてみる
髪にとって、最も良好な頭皮の環境は「弱酸性」です。この環境とは、人体の皮膚の酸性かアルカリ性に傾くかの違いによって、皮膚の状態は大きく変わります。
頭皮も含めて、人間の皮膚には様々な外部からの雑菌などが付着します。同時に人間の皮膚には、生まれてからしばらくすると、表皮ブドウ球菌などの悪い雑菌を食べる常駐菌が存在してしています。
この頭皮も含めて人体の皮膚を健全に清潔に保つのが、常駐菌の役割の一つで、この健康な人には必ずいる常駐菌が好む環境が弱酸性であるわけです。
弱アルカリ性のシャンプーは頭皮にダメージを与えてしまうことも
一方で、弱酸性の皮膚の状態は、汗や皮脂といった体から出てくる分泌物によって作られているため、これが頭皮全体にしばらく付着していると、ホコリなどの外部の汚れが付着しやすい状態にもなります。
そこで、定期的にお風呂でこの汚れを落とすわけですが、この汚れを落とすシャンプーなどの製品の多くは、弱酸性の逆、つまり弱アルカリ性の成分で作られています。
従って、あまり強い洗浄力のあるシャンプーを使い続けると、頭皮は弱酸性から、常在菌が住みにくい弱アルカリ性に傾く場合もあるので、抜け毛が気になる人は、今まで使ってきたシャンプーを見直すというのも必要でしょう。
枕の抜け毛が多い人の対処法③枕を清潔にする
枕という寝具は、常に髪の毛や顔の皮膚と密着して使用するのが普通です。特に最近は、首まですっぽり覆うタイプの枕が主流なので、髪の毛表面の汚れや顔の皮脂などが枕に付着しやすい特徴があります。
汚れや皮脂がついたままの枕で寝ることは、頭皮に悪影響を及ぼします。
枕はそのため定期的に洗うことが望ましいのですが、ここで気をつけたいのは、汚れはもちろん、付着した雑菌を出来るだけきれいに除去することです。
効果的な枕の洗い方は?
洗濯機で枕を洗っても、汚れは洗剤で落ちますが、付着した雑菌などは洗濯中の水の中でも浮遊しています。こうした雑菌は常温なら繁殖するので、たんに洗って干すだけでは雑菌は完全には除去出来ません。
加えて、枕のような体に密着して使う寝具の場合は、同じ様に体に密着して使用する下着などとは別にして洗ったほうが好ましいといえます。洗剤に関しては、香りなどが強いものよりも、純粋に洗浄力が強い洗剤を使用する方が良いです。
また、ゴワゴワした枕では、髪がこすれて摩擦が強まりますので、柔軟剤などの使用で、仕上げは柔らかい方が髪には良いでしょう。加えて、枕カバーなどを干す場合には、晴れた日に天日で干して、太陽光による光殺菌を心がけましょう。
最近では、洗濯機で丸洗い可能な枕も市販されているので、枕を選ぶ時は、自宅で丸洗いできるかどうか、製品の表示を確認しておくことをおすすめします。
枕の抜け毛が多い人の対処法④ブラッシングをしっかりする
髪をブラッシングするのは、スタイリングなどの髪を整えるばかりでなく、頭皮を軽く刺激し、頭皮の血行をうながす役目もあります。
抜け毛が多い人の中には、頭皮の血行が悪いため、頭皮全体が固く、腕やふともものように、皮膚が柔らかくない人もいます。
頭皮は薄い皮膚細胞でおおわれているので、頭皮の血流を良くすることは、毛根細胞の活性化につながります。ただし、このブラッシングもあまり頻繁に強い刺激で行うと、頭皮の皮膚は非常に薄いので、傷をつけてしまいかねません。
ブラッシングに適したブラシは、「クッションブラシ」と呼ばれる、ブラシの毛が柔らかいクッション上の上につけられた製品です。指でブラシの上から押さえると、簡単にへこむタイプのブラシで、頭皮マッサージ効果も高いため、常備しておくと良いです。
ブラシは安いものでかまいません。頭皮の血行促進に効果がある時間帯は、朝起きてすぐの全身がまだ血流量もそれほど多くない時間と、就寝前の夜10時前後です。
全身がリラックスしやすいこの時間帯は、筋肉などの緊張もほぐれ、マッサージの効果は高くなるので、平均で朝と晩の2回のブラッシングが、抜け毛が多い人には効果が高いといえます。
枕の抜け毛が多い人の対処法⑤頭皮用のローションを使う
頭皮用ローションとは、2つの役割があります。一つは、洗髪以外で頭皮の乾燥が激しい場合など、乾燥肌体質の人に頭皮に適度な保湿をするためです。
もう一つの役割は、頭皮の清潔と血行促進です。メンズヘアケア製品に多い、「スカルプケア製品」の多くは、頭皮の血行促進を考えた製品となっています。
抜け毛対策用の頭皮用ローションも、血行促進のための成分が多く含まれており、雑菌繁殖を防ぐ抗菌成分、血行促進を考えた低刺激性の成分が含まれています。特徴は非常にサラサラしていることです。
また抜け毛予防の頭皮用ローションには、発毛促進に効果が期待できる独自成分を含んだ高機能な製品もあるので、ブラッシング同様、同時に使って頭皮マッサージをすることが発毛促進に効果が期待できます。
頭皮用のローションを使用する際の注意点
注意してほしいのは、どんなに高機能の頭皮用ローションを使うにしても、定められた容量以上の使用は厳禁です。発毛する毛根細胞は顕微鏡でようやく確認できる小さなもので、血行に関係ある毛細血管に至っては、肉眼では見ることは出来ません。
効果を期待して必要以上に使用すれば、効果的な成分も逆効果となる場合があるので、適切に使用量を守るのが原則です。
枕の抜け毛が多い人の対処法⑥抜け毛を予防する育毛剤を使う
巷には、育毛剤の効果に対して賛否があるのは仕方のないことでしょう。しかし、本当に効果が全く無いのなら、ここまで多数の製品が発売される意味は無いのではないでしょうか。
育毛剤とは、すでに消滅した毛根細胞には確かに効果はありませんが、まだ産毛でも多少生きている毛根細胞には、効果が期待できます。
髪の毛は、普通の人で1日約0.3ミリ成長しているので、育毛剤はこの頭髪の発育をうながす効果はあるといえるのです。
効果的な育毛剤の選び方は?
最近では、AGA(男性型脱毛症)の研究が盛んになり、毛根細胞の研究によって、発毛には「グロースファクター」と呼ばれる成長因子が関係していることが明らかになっています。
抜け毛でも、成長途中で抜けてしまう場合には、毛根細胞が弱っていることが考えられるので、毛根細胞に有効に働きかける育毛剤を使用することが重要です。
こうした育毛剤と頭皮用ローションは、それぞれ役割、効果が異なるので、併用しても問題はありません。どちらも使用も、お風呂などの体を温めて、全身の血のめぐりが良くなったお風呂上がりに使うのが効果的です。
枕の抜け毛が多い人の対処法⑦生活習慣を改善する
食生活の多様化により、日本の食卓事情も外食や肉料理がごく普通になってきましたが、一方で生活スタイルも、深夜まで活動が及ぶ場合が多くなっていることも特徴でしょう。
髪の毛の成長は、寝ている間が最も安静している状態のため、髪の毛も寝ている間によく伸びると言われています。”寝る子は育つ”と言われているように、骨や皮膚、頭髪などの成長も、安静にしている時間帯が最も活性化しているのです。
健全な睡眠を維持するには、寝始めの弱い眠気が非常に重要です。睡眠前に、激しい運動をしたり・刺激のある飲み物・アルコールなどの神経に作用する飲み物を飲む習慣は決して良いものではありません。
- 寝る2時間前までに食事を終える
- 寝る90分前にお風呂に入る
この習慣を心がけると、質の良い睡眠をとれるようになります。
枕の抜け毛は生活習慣悪化のサイン!重症化する前にしっかりケアを
多くの抜け毛で悩む方は、「これ以上、髪の毛が抜けたらどうしよう。」と真剣に考えていることでしょう。
髪の毛はその人全体のスタイル、外見に影響を与えるものです。しかし、どんなに髪の毛が多くて、髪が長い人でも、髪が約10センチ成長するためには、約10ヶ月必要です。
抜け毛が多い人は、この髪の成長途中で抜けてしまう状態がしばらく続いている状態です。
抜け毛が多くなるということは、少しずつ健康的な生活から離れてきている証拠だといえます。仕事上の都合、家庭の事情があってなかなか生活リズムを変えるのが難しいのなら、少なくとも睡眠などの習慣は、乱れないように工夫することが大切でしょう。
更に食習慣も同じです。どうしても短時間に一気にお腹いっぱい食べるような極端な食生活は、消化にも良くありません。
まずは生活習慣をできるだけ改善するように工夫し、しっかりと適切なヘアケアを行うことを目指しましょう。抜け毛もやがて心配する必要のない、正常な範囲におさまるはずです。