髪を抜く癖は病気?やめたい人が知っておくべき原因と治療法

寝ているときや考えごとをしているときなどに無意識に髪を抜く癖があり、困っていませんか。

抜くのが嫌で止めたい、恥ずかしいと感じているのに抜いてしまう、などのケースは抜毛症の可能性が高いです。

何も手を打たないでいると悪化して薄毛になったり食毛症や皮膚むしり症を併発したりする恐れがあります。

髪を抜く癖があると気づいたら、なるべく早く適切な対策をとりましょう。ここでは、抜毛症になる原因や受診に適した診療科、治療法などについて詳しく紹介します。

髪を抜く癖は病気?原因は?

枝毛やくせ毛が気になったときにぷつんとその髪だけ抜くことなどは、問題ありません。

注意すべきは、止めたいと思いながらも止められず、気づいたら何十本と抜いているケースです。この場合は、抜毛症の可能性が高いです。

ここでは、抜毛症がどのような病気なのか、発症する原因は何かなどについて説明します。

髪を抜く癖=抜毛症・抜毛癖とは

抜毛症は文字通り、「自分で自分の髪や体毛を抜いてしまう疾患」です。

頬杖をつく、頭をかく、口元を隠すなど、日ごろあまり意識せずにしてしまう癖がある人は珍しくないでしょう。抜毛症はこの癖がひどくなったようなものです。

髪を抜き続ければ、当然その部分ははげます。恥ずかしく、なにより何十本と髪を抜く異常さに嫌悪も感じているのに、抜毛症では止められずに髪を抜き続けてしまうのです。

抜毛症は男性より女性に多く、子どもが発症することも珍しくありません。

成人患者では、実に9割近くを女性が占めます。ただし、女性の比率が高いのは、抜毛症で受診する女性が男性より多いのが一因とも考えられます。

髪を抜く癖(抜毛症)の症状

ここでは、抜毛症の症状について具体的に見ていきましょう。

髪や体毛を抜く

先にも述べたように、抜毛症の主な症状は「髪や体毛を抜いてしまう」ことです。

もちろん、くせ毛や白髪が気になってその部分だけ抜くケースは当てはまりません。見た目をよくしたいなどの明確な目的がないのに抜いてしまうのが抜毛症です。

就寝時にまったく無意識に抜いているケースもあれば、自覚しながらつい抜いてしまうケースもあり、重症度は人によって異なります。

毛を抜く部位も頭皮に限らず、眉毛やまつ毛、すね毛、指の毛など毛が生えているあらゆる部位が対象になり得ます。

つるつるになるまで同じ場所の毛を抜き続けることもあれば、ある程度抜いたあと別の場所に移ることもあり、人によってさまざまです。

抜くときの痛みを不快に感じることは少なく、むしろ爽快感や満足感を覚えたり、抜くまえに漠然と感じていた不安感が和らいだりするといわれています。

抜いた髪や毛を食べる(食毛症)

抜毛症になると、約4割の人に抜いた髪を噛む、飲み込む、毛根を食べるなどの症状がでます。これを食毛症といいます。

髪を抜くだけであれば、薄毛など外見の問題は生じるものの、健康状態を大きく損なうことはありません。髪を飲み込むとなると別の話です。

髪は強固な構造をしているため、胃腸内で消化・分解されません。飲み込んだ複数の髪が器官内で絡みあい、腸閉塞や潰瘍などを起こす恐れがあります。

髪を抜く癖(抜毛症)の原因・心理とは?

抜毛症の原因は明確にはわかっていません。精神的なストレスが関係している説が有力です。

思春期ごろの子どもや女性など、一般にストレスに過敏に反応する時期・人に多く発症する傾向があります。

家庭環境や人間関係などで問題を抱え、不安やいらだちを感じているときに髪を抜いたら解放感や快感があり癖になってエスカレートしていった結果、抜毛症になることあります。

子どもでは、母親との関わりが原因となるケースも多いです。たとえば、母親が以下のような行動を取っていると、子どもは強いストレスを感じます。

  • 過度に干渉する
  • 最低限の構い方しかしない
  • 叱ってばかりいる
  • 理不尽に子どもの行動を制御する
  • 母親の考えや価値観を押し付ける

このようなストレスのはけ口として髪を抜く行動にでることがあるのです。

あなたが抜毛症かわかるチェックリスト

自分はもしかしたら抜毛症かもしれないと心配になった人もいるのではないでしょうか。そのような人は、以下の項目に当てはまるかチェックしてみましょう。

  • いらだちや不安を感じているときに髪を触る癖がある
  • 動画を見るなどほかに集中しているとき、無意識に髪の毛やまつ毛、眉毛などを抜いてしまう
  • 抜きたくないと思っているのに我慢できず、繰り返してしまう
  • 抜いた瞬間は安心感や心地よさなどがある
  • 抜いたあとに罪悪感を覚える
  • 抜くせいで明らかに髪が薄くなったり一部分がはげたりして恥ずかしく外に出られない

上記の項目のうちで1つでも当てはまる人は、抜毛症の可能性があります。

ただし、確実ではありません。正式な診断のためには病院を受診し専門家に相談することが必要です。放置すると悪化する恐れがあります。

髪を抜く癖をやめたい・治したい…病院でできる治療法・セルフ対策を解説

髪を抜く癖を止めたい、嫌だと思っていても止められず、困っている人も多いでしょう。

抜毛症であれば、受診して適切な処置を受けることが大切です。ここでは、病院ではどのような治療を行うかについて解説します。

髪を抜く癖(抜毛症)では何科を受診すべき?

抜毛症は精神面が大きく関わる疾患のため、精神面の治療を受ける必要があります。引き金となる精神的ストレスを解消・緩和しなければ、治らないからです。

受診するなら、精神科ではなく心療内科がより適切でしょう。

どちらも心が原因で起こる病を治療しますが、精神科は心が原因で不安やイライラなど心に不調が表れる疾患を扱います。心が原因で身体に不調が現れる抜毛症は心療内科が該当します。

皮膚をひっかく、爪を噛むなどの行動も併発している場合は、皮膚科も受診して治療を受けましょう。その際は、心療内科で抜毛症の治療を受けていることを伝える必要があります。

薄毛の状態を改善したいときは、皮膚科でも対応できますが、治療方法が限られます。頭髪専門クリニックで相談するのがおすすめです。

髪を抜く癖(抜毛症)の治療法は?

心療内科における抜毛症の治療では、認知行動療法がとられることが一般的です。症状をコントロールするために薬が処方されることもあります。

それぞれ、どのような療法か見ていきましょう。

認知行動療法

これは、自分では気づいていない考え方の癖に気づかせ、問題行動を修正する方法です。問題行動とは、この場合は髪を抜く行為を指します。

抜毛症の治療では、以下のように進めることが一般的です。

訓練内容
1.気づきの訓練髪を抜きそうになったとき、抜き始めたときの心理状態を記録する。記録することで無意識の抜毛行為に対する自覚を高め、トリガーとなる状況を特定する。
2.対抗反応訓練髪を抜きたい衝動に抵抗する訓練。たとえば、手をぐっと握り締める、ペンを握るなど、別の行動を意識して行う。

薬物療法

主に以下のような抗うつ薬が処方されます。

薬剤名効果
SSRI

(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

脳内セロトニンを増やし、落ち込みや不安を緩和する
クロミプラミン脳内のセロトニンとノルアドレナリンを増やし、意欲の低下や不安、不眠症状を緩和する

これらは抜毛症の原因と考えられるストレスを緩和するためのもので、抜毛行為に対して直接作用するものではありません。

髪の専門病院に相談してもOK

抜毛症で薄毛になった場合、抜毛行為が止まれば、時間はかかるもののやがて髪が生えてくるでしょう。

とはいえ、抜くことによるダメージで頭皮や毛穴が弱っている可能性が高く、なかなか生えてこない恐れもあります。

そこで、まずは心療内科で治療を受けて抜毛行為を抑えたうえで、頭髪専門のクリニックを受診すると良いでしょう。

頭髪専門クリニックであれば、最初にカウンセリングを受け、頭皮の状態をよく検査したうえでさまざまな治療方法のなかから最適な方法が選択できます。

たとえば以下のような治療法があります。

  • 発毛薬:頭皮に塗る外用薬のほか、内服薬が処方されることもある
  • 注入療法:成長因子や髪に必要な栄養が含まれた薬剤を薄毛部分に直接注入する
  • 自毛植毛:自分自身の健康な毛根を薄毛部分に植えつけ、生えそろうのを待つ

ほとんどの専門クリニックで初回カウンセリングを無料で行っています。相談してみると良いでしょう。

AGAスキンクリニックレディース院

AGAスキンクリニックレディース院

AGAスキンクリニックレディース院は、女性を対象とする薄毛治療の専門クリニックです。

クリニック名にAGAとついていますが、女性型AGA(FAGA)だけでなく幅広く薄毛や脱毛症の治療も行います。もちろん、髪を抜く癖によってはげてしまった場合も診察対象です。

丁寧なカウンセリングを行い、1人1人に合わせた治療を行っているので安心して通えるでしょう。

特に、オリジナル治療薬による発毛効果で高い評価を得ています。ほかにも注入療法や育毛サプリメント、自毛植毛などの治療法があります。

全国に50院以上あり、土日祝も夜22時まで診察を行っています、忙しい人でも通いやすいでしょう。

外出が難しい人は、初回のみ来院すれば、以降はオンラインで診察を受けることも可能です。

くせ毛が気になって髪を抜く癖があるなら

まっすぐにスタイリングしても、うねうねと曲がるくせ毛や縮れた髪は困りものです。見栄えが悪いので自分で抜いてしまう人もいるのではないでしょうか。

先にも説明したように、このような明確な目的があって髪を抜く場合は、抜毛症の疑いはありません。

ただし、意識的であっても「髪を自分で抜く行為」は抜毛症を呼び起こすきっかけとなることがあり、注意が必要です。

邪魔なくせ毛がぷつっと抜けたときに満足感を覚え、ほかのくせ毛も見つけては抜くようになると、だんだんそれが癖になってしまうことがあります。

その結果、癖でおさまらずどんどんエスカレートして抜毛症に陥ることがあるのです。

くせ毛がどうしても気になるときは根元近くでカットするなどして、抜かないようにしましょう。髪が傷むとくせ毛になりやすいので、適切にヘアケアすることも大切です。

おすすめのくせ毛用シャンプー:クイーンズバスルーム

クイーンズバスルーム

適度な潤いのある髪がしなやかでクセがつきにくいのは、毛髪内部でたんぱく質と水分のバランスが良く、ねじれることなく結びついているからです。

髪がひどく傷むとたんぱく質や水分が流出してしまって毛髪内部でのバランスが崩れ、その影響でいびつにねじれたまま髪の形状が固定されます。これがくせ毛の状態です。

クイーンズバスルームは「マイルドな洗浄力」と「優れた保湿力」が大きな強みで、ほどよい洗浄成分で洗うことで髪や頭皮の潤いが守られ、保湿成分で髪が潤った状態が維持されます。

潤った髪はたんぱく質の結合が緩むため、しなやかで柔軟な状態となり、クセやうねりが緩和されるのです。

くせ毛が気になって髪を抜く癖がある人は、まずは5日間お試しセットを購入してはいかがでしょか。ヘアオイルもついて、1430円(税込)と非常に特に購入できます。

髪を抜く癖を治したいなら早めに病院へ

髪を抜く癖を止めたいのに繰り返してしまい、そのことで精神的苦痛を感じたり日常生活に支障がでていたりする状態であれば、抜毛症を発症している恐れがあります。

抜毛症は、ストレスが原因とする説が有力です。止めたいと思いながらも放置して悩んでいると悪化する可能性が高いため、早めに病院の心療内科を受診し治療を開始しましょう。

心療内科では認知行動療法によって少しずつ改善のステップを進め、薬が処方されることもあります。治療は早く開始するほど早く良くなる見込みが高いです。

髪の抜き過ぎで薄毛になっている場合は、頭髪専門のクリニックで相談すると良いでしょう。初回カウンセリングが無料のところも多いため、まずは相談するのがおすすめです。